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2019年1月30日 (水)

皮膚病雑記帳No.221

甘麦大棗湯

 

 近頃、甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう)をよく処方しています。それは一昨年の日本東洋医学会広島県部会に参加して、会長の井口敬一先生の甘麦大棗湯に関する講演を聴いてからです。先生は内科をされていますが、漢方薬をよく処方している先生は内科でも皮膚病を診ることが多く、小児の痒疹(硬く盛り上がった丘疹)の治療例を報告されました。子供の心の異常が心(しん、五臓の一つ)の経絡を通って四肢に皮疹が出て、心の異常を改善する甘麦大棗湯が有効であった症例を報告されました。小児の痒疹、特にアトピー性痒疹はよく経験するので、心が絡んだケースでは甘麦大棗湯を処方してみようと思っていました。

 その後かなりの患者さんに甘麦大棗湯を処方したところ、有効例を経験しました。特に小児例で、兄弟姉妹で四肢に痒疹がある場合や成人でもかなりストレスが溜まっているような人に良く効き、ステロイド外用剤、抗アレルギー剤の処方だけよりも、甘麦大棗湯を併用したほうが早く皮疹が消失するようでした。

 治療をしていて気づいたことは、四肢の裏側(肘窩、膝窩)側の皮疹のほうがよく治るということでした。裏側なので恐らく経絡の中の陰経に作用しているのではと思います。経絡は五臓(心、肝、肺、脾、腎)と関連していて、心、肺は手経(上肢)と関連し、脾、肝、腎は足経(下肢)と関連するので、甘麦大棗湯は心に働くのでより上肢の皮疹に効くのかもしれません。また脾、肝、腎に異常がある場合には、それらに効く処方が下肢の皮疹に効くのかもしれません。さらに検討したいと思います。

 裏側、表側、上肢、下肢と、色々に作用するところが漢方の面白いところです。

 

2019.1.30記載

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