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2018年3月 1日 (木)

皮膚病雑記帳No.210

●大建中湯

 大建中湯(だいけんちゅうとう)は皮膚科では処方することは少ない方剤です。効能・効果は腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるものとなっています。構成生薬は人参、乾姜(かんきょう)、山椒(さんしょう)。私は腹部の帯状疱疹に伴う神経麻痺により生じた便秘に大建中湯が奏効した症例を経験したことがあります。
 

 大塚敬節先生解説の金匱要略(きんきようりゃく)講話に大建中湯に関する記載があったので紹介します。

「要するにお腹が非常に冷えて痛むということ、そして見ていると、腸がむくむく動いて、その運動が頭と尾があるような様子で、それが上に行ったり下に行ったりする、そして痛くてさわることもできないということですね。それで私が湯本(求真)先生から腹証を習ったときに『これが大建中湯の腹証だからよく診ておけ』と云われて診たのですが、ぜんぜん腹に力がなく、腹直筋も何もみられず、ただお産したてのお腹のように軟弱無力で、たたいていると、ときどき腸がむくむくと動くのです。
 そんなふうで大建中湯は腸の蠕動が非常に亢進して、うまく下にものがさがらないときに使う薬方ですけれども、したがって、お腹が軟弱無力のときが多いけれど、まるきり反対で、お腹がパンパンに張って、全然腸の蠕動運動なんか外から見えないときにも大建中湯の証があるということも知っておかないといけません。

 腹証をとらえるのはなかなか難しいですが、一定のパターンだけ覚えるのではなく例外も知っておかないといけないということだと思います。

 また耳鳴りに大建中湯が効いた経験を紹介して、「とんでもないものでも治ることがありますね。だから私たちはもっと視野を広くして、ことに昭和以降は現代医学を考慮して考えるようになったから、いろいろと考えてみなければないようですね。」と示唆に富むことが書かれていました。

2018.3.1記載

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