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2017年3月30日 (木)

皮膚病雑記帳 No.199

●木村忠太の絵画と東洋医学

  私の好きな画家の一人に木村忠太(1917-1987)がいます。


 木村忠太は日本でよりもフランスで著名な、知る人ぞ知る画家で、高松に生まれ、東京へ出て、画家となり、1953年フランスに渡り、以来帰国することなく 、フランスの画家としてとして生きた画家です。


 ボナール(1867-1947)の光から出発した木村は、戦後のパリでの苦しい時代を乗り越え、輝かしい光、半ば抽象化されながら、しかも自然と心を感じさせる、大胆な画面構成によって、独自の画風を築いてきた。アブストラクト(抽象)とレアレズムの総合が目標だとし、そのためには東洋の精神が必要だと言って次々と作品を発表してきた。


 キムラは風景の画家であり、光の画家であり、魂の画家であった。どんなに抽象に近づいても、そこには必ず自然があり、風景があった。画家の眼を、画家の心を通じて見た対象があっ た。それは見慣れれば鑑賞する人に必ず分かる自然であり風景である。(以上、ブログ、木村忠太画伯のこと- Biglobeより引用)


 木村忠太の画では確かに西洋人が描けない東洋のこころを感じることができます。光が西洋医学だとすると、魂が東洋医学だと思います。明治以降、日本の画家達は西洋の絵画を吸収しようとしてある程度のレベルに到達しましたが、西洋を超えることはできませんでした。画風は異なりますが、フランスで活躍した乳白色の肌の裸婦像で有名な藤田嗣治(レオナ-ル・フジタ)(1886-1968)も木村忠太のように西洋の絵画と東洋の絵画を融合できた日本人画家の一人と思います。


 木村忠太が西洋の絵画と東洋の絵画を融合させたように、日本人こそが西洋医学と東洋医学を結びつけることができるのかもしれないと思いました。例えばAquagenic Wrinkling of the PalmsAWP)(日本語名はない)は、両手を水に浸すと数分で著明に白色浸軟化し、数十分でもとに戻るという特徴的な臨床症状を呈する稀な疾患です。このAWPに五苓散が奏効した症例を経験しました。AWPの症例の汗腺細胞でアクアポリン(AQP)5の発現が増強しているという報告と五苓散がAQPの水透過性を抑制するとの報告をもとに五苓散を処方したところ改善が認められました。アクアポリンという西洋医学によって発見された水チャンネルに東洋医学で使われる五苓散が奏効したという、西洋と東洋がコラボできた症例でした。


 日本の医療は明治以降、ヨーロッパ、アメリカに追いつけ、追い越せと西洋医学を学んできましたが、西洋と東洋を融合した木村忠太の絵画のような医療を目指していけばよいのかなと思ったりしています。


2017.3.30記載

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