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2017年1月31日 (火)

皮膚病雑記帳 No.197

生薬数の少ない漢方薬

 漢方薬は数種類の生薬から構成されています。生薬の数が少ない漢方薬ほど早く、良く効くとされています。生薬数の少ないキレの良い漢方薬をピックアップしてみました。

 まず2つの生薬から構成されるものには、芍薬甘草湯、大黄甘草湯、桔梗湯(桔梗と甘草で構成)、桔梗石膏などがあります。芍薬甘草湯はこむら返りの時に頓服で服用してよく効く方剤です。芍薬も甘草も止痛薬として使われています。大黄甘草湯は便秘の代表処方の一つです。桔梗湯、桔梗石膏などは扁桃炎などの咽の痛みによく用いられます。いずれも即効性のある方剤です。特に芍薬甘草湯の効果の発現は早いことで有名です。

 3つの生薬から構成されるものは、小半夏加茯苓湯(半夏、生姜、茯苓)、甘麦大棗湯(甘草、小麦、大棗)、調胃承気湯(大黄、甘草、芒硝)、三黄瀉心湯(黄芩、大黄、黄連)三物黄芩湯(地黄、苦参、黄芩)、麻黄附子細辛湯、茵蔯蒿湯(茵蔯蒿、山梔子、大黄)、梔子柏皮湯(山梔子、黄柏、甘草)などかなりあります。この中の方剤では、私は甘麦大棗湯を落ち着きのない小児のアトピー性皮膚炎に、三物黄芩湯を手足のほてりがある場合に、麻黄附子細辛湯を虚弱な人の感冒やアレルギー性鼻炎、帯状疱疹後神経痛などに、茵蔯蒿湯を蕁麻疹、梔子柏皮湯を眼周囲の皮膚炎などに処方しています。梔子柏皮湯が眼周囲の皮膚炎に効くのは、恐らく山梔子が肝の働きを良くし、肝と目は経絡的につながっているので、肝が良くなれば眼周囲の、皮膚炎も良くなると思われます。

 さらに4つの生薬からなるものは13種類ほどあり、ここですべてを列挙するのをやめておきます。皮膚科でよく使う処方に黄連解毒湯(黄連、黄芩、黄柏、山梔子)と四物湯(当帰、地黄、芍薬、川芎)があります。黄連解毒湯は清熱剤の代表処方で、温清飲、荊芥連翹湯などの基本骨格になっていて、四物湯(当帰、地黄、芍薬、川芎)は温清飲、当帰飲子、十全大補湯などの基本骨格になっています。黄連解毒湯と四物湯を合わせたものが温清飲になります。

 2~4種類の生薬で構成される漢方薬は即効性のある優れた処方と言えます。シンプルイズベストは漢方薬の世界でも通用するように思います。

2017.1.31記載

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