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2016年8月30日 (火)

皮膚病雑記帳 No.192

鍼(はり)の功名

 
 帯状疱疹後神経痛(post herpetic neuralgia PHN)はなかなか治りにくい病気です。数年前に登場した神経障害性疼痛に有効なリリカや、痛みや冷えを取る漢方薬を処方したり、また半導体レーザーを照射してもなかなか痛みが取れない症例があります。毎日朝早くから来られるPHNの患者に対して、なかなか治らず申し訳なく思いながら診療しています。


 今年6月に松江市での八雲漢方研究会にて鳥取大学医学部、麻酔科・ペインクリニック科教授の稲垣喜三先生に『慢性疼痛緩和と漢方薬』というタイトルで講演して頂きました。慢性疼痛では気、血、水、特に気の異常に着目することの重要性を強調されていました。そして鍼(はり)の治療も有効と言われていました。


 数ヶ月経ってもいろいろと治療しても良くならない胸背部のPHN(ものが張り付いたようみでした)の患者さんがいて、痛い所にキシロカイン(局所麻酔薬)の注射をしていましたがあまり効かず、講演会を聴いて後、鍼の話を思い出し、胸背部の痛みのツボの膏肓(こうこう)にキシロカインの注射をしてみました。数回するうちに次第に痛みが軽減し、週2回の注射、2ヶ月ほどで一応治療は終了しました。膏肓というツボに注射したのが奏効したのでしょう。キシロカインの注射は鍼とは異なりますが、ツボに注射するということで、鍼に近いものだと思います。しかし、その患者さんはしばらく無治療でいるとまた痛くなって来院されました。ツボへの注射が効いたといっても恒久的ではないようです。それでも他の治療が効かなかったので、やってみた甲斐がありました。

 

 東洋医学には鍼灸(しんきゅう)も含まれています。これまで縁がなかった鍼やお灸もPHNに対する有効な手段として利用していけたらと思います。


 
2016.8.30記載

 

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