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2016年6月29日 (水)

皮膚病雑記帳 No,190

大塚敬節先生

 

今月の4~5日、香川県の高松市で日本東洋医学会総会が開催され参加しました。参加者が多く、盛会でした。多くの講演、セミナーなどがあり、そのなかで最も印象に残ったのは昭和の漢方の大家、大塚敬節先生を特集した講演会やシンポジウムでした。大塚先生の特集を組まれたのは大塚先生が四国出身であったことによるものと思います。

大塚敬節先生(19001980)は高知県の医家に生まれました。後を継ぐ予定でしたが、漢方を勉強したくて、上京して湯本求真に師事します。その後東京で開業します。最初は患者さんが来ない日々が続きますが、次第に評判が高まり、毎日、朝の4時から患者さんが押しかけるほど繁盛したようです。現在の保険適応のある漢方エキス剤を考案し、葛根湯の1番、大建中湯の100番などの番号をつけられたのも大塚先生とのことです。また漢方の古典にも詳しく、バイブルの『傷寒論』や『金匱要略』の解説もされています。『金匱要略』の方は今年の2月のブログに『大塚敬節先生の金匱要略講話』というタイトルで紹介しています。

大塚敬節先生の松田邦夫先生の特別講演では2つの印象に残る話がありました。一つは初診時に患者さんに食養生の話を30分ほどじっくりされたことです。現代では食事の大切さが強調されていますが、戦後間もない頃から重要性を認識されていたのかもしれません。私などはつい薬の効果をみるために食養生の話は後回しにしがちです。注意したいものです。もう一つは反対学を学べという教えです。反対学とは自分が学んでいる学問と違った方向の学問のことです。日本漢方は大きく後世方派と古方派に分かれていますが、古方派を極めた大塚先生は、後世方派の流れをくむ漢方医の意見、主張にも耳を傾けたようです。また大塚先生は文学にも造詣が深く、自作の短歌などもあります。

私が漢方を勉強し始めた頃は、大塚先生の流れをくむ北里大学東洋医学研究所所長の花輪壽彦先生のテキストを読み、シリーズものの講演会を聴きました。そのためか大塚先生の漢方に対する考え方にとても共感できます。これから著作集などにも目を通したいと思っています。

 

2016.6.29記載

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コメント

大変興味深いブログでした。
特に食養生を大切にされていた大塚先生の事がとても知りたくなりました。
毎日いただく食事がやっぱり大切なんだと再認識。
内海先生は、食養生のポイントは?
どんなことに気をつけておけば良いとお考えですか?
おしえていただけるとうれしいです。

コメント有難うございます。
返信が遅くなって申し訳ありません。
大塚敬節先生のように時間をかけて患者さんに食養生の説明をするのはなかなか時間の制約もあって難しいのですが、
洋食ではなく、和食中心のメニューにすること、過食をさけること、コーヒーは体を冷やすので、体を温める紅茶を飲むこと、などです。たいしたことは言ってませんね。

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