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2016年4月29日 (金)

皮膚病雑記帳 No.188

●人参養栄湯 

 最近よく処方している漢方薬の一つに人参養栄湯があります。体力をつけるのにはかなり有効な処方です。褥瘡や外傷、熱傷後の潰瘍にも有効です。

人参養栄湯は気血双補剤で、似た処方に十全大補湯があります。人参養栄湯の生薬構成は地黄、当帰、白朮、茯苓、人参、桂皮、遠志、芍薬、陳皮、黄耆、甘草、五味子の12種類です。そして十全大補湯の生薬構成は黄耆、桂皮、地黄、芍薬、川芎、白朮、当帰、人参、茯苓、甘草の10種類です。共通生薬は地黄、当帰、白朮、茯苓、人参、芍薬、黄耆、桂皮、甘草の9種類で、そのうち人参、白朮、茯苓、黄耆、甘草は気を補う生薬で、当帰、地黄、芍薬は養血の生薬です。そして桂皮は血液循環をよくします。十全大補湯から川芎を除いて、遠志、陳皮、五味子を加えたものが、人参養栄湯になります。そして陳皮、五味子は肺に働き咳を止める効果があり、遠志は気を巡らす効果があります。人参養栄湯は全体としては気血双補し、精神を安んじ、寒を追い払い、咳を止める効果があります。

 十全大補湯は人参養栄湯の使用目標に似ていて、ツムラ社の効能はまったく同じになっていて鑑別が難しいのですが、咳嗽などの呼吸器症状や健忘などの精神症状のない場合に処方されます。

 ちょっとした生薬の違いで微妙に使い勝手が違ってくるのも漢方薬の面白いところです。これまで褥瘡などには十全大補湯をよく処方していましたが、もう一つ効かない感触でした。最近、人参養栄湯で褥瘡がよくなった症例があり、これから処方して行こうと思っています。ただ名前の通り栄養がつき過ぎて体重が増えて患者さんもいたので注意が必要です。

                    (高山宏世著 漢方常用処方解説を参考)

 

2016.4.29記載

 

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コメント

漢方薬は同じような組み合わせでも効く症状がちがうのが本当に面白いです。
オーダーメイドの治療ですね。

最近、先生から人参栄養湯を出していただいてだいぶん元気になってきたのを感じます。
体重が2キロ増えました。

元気になってきたから今度は運動をはじめようかと思っています。
50も半ば。
快適な人生の後半にしたいです。
今後ともよろしくお願いいたします。

コメント有難うございます。
返信が遅くなってしまい申し訳ありません。
人参養栄湯で元気になられたようで良かったです。
人参養栄湯はなかなか良い薬です。十全大補湯や補中益気湯の陰に隠れてそれほど処方されていないようですが、もっと処方されてもよい薬だと思います。

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