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2006年12月31日 (日)

皮膚病雑記帳 No.76

●瘀血(おけつ)と皮膚病

 
瘀血とは漢方特有の用語で血液の流れが滞っている状態のことです。冷え症や便秘のあるなしを聞いたり、舌を診たり、お腹を触ったりして判定します。皮膚病にはこの瘀血が絡んで発症するものが幾つかあります。
 
 
1。にきび。たいてい瘀血の人が多いようです。瘀血でも体質で数種類の処方があるので、よく検討して処方しています。基本処方は桂枝茯苓丸です。やや虚証に傾くと当帰芍薬散、実証に傾けば桃核承気湯を使います。抗生剤の外用薬や内服薬も効果的ですが、長い期間の治療になるので漢方薬は良い適用と思います。にきびの症状が改善してくれば漢方薬のみを処方したりしています。

 2.しみ。瘀血のある人に多く、
桂枝茯苓丸加薏苡仁はしみに対して保険適用もあります。すぐに効果を発揮しませんが、長く飲んでいるうちに少しずつ改善してくるようです。もちろんビタミン剤の内服や美白剤の外用も効果的です。場合によってはレーザー治療もすることがありますが、体質を変えていく漢方薬は長い眼でみれば健全な治療法と言えます。

 3.アトピー性皮膚炎。気の異常が最近よく話題にのぼり、補中益気湯が有名になっていますが、アトピーの患者さんにも瘀血のある人がいます。皮膚(特に顔面、頚部、胸背部など)に熱を伴っていながら、下半身は冷えている患者さんがいます。冷やす漢方薬を使いながらも下半身を温める必要があります。こういう場合にはよく2種類(皮膚を冷やす処方と体を温める処方)を同時に出しています。瘀血のあるアトピー性皮膚炎の場合は冷やすだけではだめで、温める処方が必要になってきます。

 
皮膚疾患の漢方治療において瘀血をたえず念頭においておくことが重要です。

 
2006.12.31記載


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